市民公園の立ち話

社会人1年目です。人生頑張っていきましょう。https://note.com/natsuki_aikawa (2020年5/6〜)

ここ掘れワンワン

アルバイトからの帰り道

0時を回ったころに最寄り駅についた。

 

終電も近いこの時間でもまあまあの乗降客はいる。

しかし、私が帰る出口は3つある出口の中で一番人通りが少ない出口だ。

 

道行く人がまばらになっていき5分も歩けば人気もない

遠くからかすかに聞こえる電車の音と踏切の音

足早に家に向かって歩く。

 

家の明かりも軒並み消えて

寝静まった人もたくさんいる

この壁一枚隔てて寝てる人がたくさんいる

 

そのとき暗がりに動く何かを見つけた。

夜な夜な散歩するイヌだ。

 

リードも繋がれておらず、うろうろしていた。

こんな時間に一匹で出歩いて

かなり自立心の強いイヌだ。

 

それなりに乗降客もいる駅の周辺なので

別に人里離れた山奥とかではない。

野良犬ではなく飼い犬だろう。

 

とはいえ急に襲い掛かってくる可能性も無きにしも非ず。

ちょっと足音を大きめに出して歩いてみた。

 

イヌは動きを止めてこちらの様子を伺い始めた。

そうも道の真ん中で姿勢を正されても困ってしまう。

 

ゆっくり距離を縮めながら道のはじっこを歩く。

様子を見ていたイヌがすっと立ちあがった。

 

数メートル私から離れていきこちらを振り返る。

距離が離れた分イヌに近づく。

 

再びイヌが距離を取りこちらを振り返る。

逃げないってことはついて来いってことか。

 

再びジブリの世界が始まった。

深夜1時の不思議体験

 

イヌもこちらのペースに合わせてとぼとぼ歩く

バイトで疲れた私もとぼとぼ歩く

とぼとぼペアが暗がりの住宅街を歩く

 

言葉が通じないが勝手に意図を読み取ってついていく

本当は左に曲がる角も右に曲がってみたり

 

ある程度歩いたところでイヌはぴたりと歩くことをやめた

とうとうここ掘れわんわんなのか

 

と、おもったらイヌは来た道を引き返し始めた。

ちょっと待ってくれと思い再びついていく。

 

イヌと出会った場所まで戻ってきた。

イヌはそのまま近くの民家へ姿を消していった。

 

アルバイト帰りの深夜1時

ほんの数十分の出来事ではあったが、夢をみた

 

ついていったら金銀財宝の山がみたいな

おとぎ話になっても良かったのに

 

さいころから言われてたことにもう一つ付け加えたい

知らない人とイヌにはついていくなと。

にわにはにわにわとりがいるし、すもももももももものうち。

背骨が曲がりに曲がったこの季節

さすがに運動不足を懸念して、サッカーボールを購入した。

 

夜の公園でひっそり球遊びをしている人がいたらどうか通報してあげないでください。

 

雷と雨に見舞われた日中だったが、いつしか雨はやんで陽も沈んでいった。

ほんのりぬかるんだ公園の土を踏みしめ、ボールを蹴った。

 

ずりっと音がして、足元を取られた。

ひと蹴りで左半身が泥にまみれた。楽しい気分を一蹴されてしまったようだ。

 

球遊びをするつもりが球遊ばれになってしまったので

おとなしく帰ってシャワーを浴びた。

 

部屋の明かりに照らされたサッカーボールは

砂ですこし塗装が削られていた。

 

何一つ得たものがないのに失うものばかりの気がする。

 

嘆いてばかりでも仕方がない。

失った分のカロリーを得て再び生きることを続ける。

 

明日は祝日。

本来であれば週の真ん中の祝日は喜ばしいことではあるが

休日も平日も変わらず家に居るからまったく恩恵がない。

 

本来ならば朝から優雅に海岸線沿いを闊歩するとこであるが、

インスタントコーヒー片手に庭を眺める程度に収めるしかない。

気分だけでも奥多摩だ。

 

 

さて、幻覚幻聴は精神異常の前兆ともいうし

ほどほどにしないとやばい気がしてくる。

麻布十番の夜景を見ながら今日の日記も終わりにしよう。

 

子にゃんこにゃんこ孫にゃんこ、ひ孫にゃんこ、玄孫にゃんこ、頼孫崑孫仍孫雲孫

深夜徘徊っていうと少し怪しげに聞こえるが、

真夜中のちい散歩と言えば健全さとエロティックさを1:4くらいでステアした美味しいカクテルが出来上がる。

 

さて、自宅待機にも飽き飽きしてくると夜な夜なウォーキングデッドをしてみたくなる。

少しづつ気温が高くなり、夜風でちょうど汗ばまない心地よい散歩が出来る。

 

引っ越してきて一か月程度の町、まだまだ見知らぬ場所がいっぱいある。

暗がりの道になるとなおさらわからない。

 

小さい公園がいっぱい。

特にあてもなく、地図も読まず彷徨う。

 

河川敷を歩くとベンチに寝転がる黒い塊

住宅街を歩けば素振りする黒い影

 

昼には見ることもなかった異世界が街には広がる。

 

シーンと静まり返り、時たま響くエンジン音。

体が宙に浮いたような間隔でとぼとぼ歩く。

 

そのとき、目の前のゴミ捨て場がもぞもぞ動いていることを確認した。

突如現れたのは黒い塊、いや茶色い毛だまりだった。

 

モンスターボールも持たない手ぶら人間の前に

ふわふわ茶猫がでてきた。

 

行く当てもない私は茶猫の後をするするとついていくことにした。

 

ゴミ捨て場を転々としていく茶猫

ゴミ捨て場を転々としていく人間

 

薄暗い裏路地を突き進む茶猫

薄暗い裏路地を突き進む人間

 

曲がり角、白猫が顔を出す。

茶猫は立ち止まり後ろを振り返る。

振り返った先には人間。

 

身動きが取れなくなった茶猫

そろそろと茶猫を抜き去る人間

見つめ合う白猫

 

茶猫を抜き去ると中規模の公園

公園に入っていく人間

 

様子を伺ったあと、公園に入ってくる茶猫

どこかへ立ち去る白猫

待機する人間

 

再び茶猫が公園から出て路地へ入っていく。

ついていく人間

消えた白猫

 

茶猫についていき路地を抜けると、

そこにはキラキラ光る看板とSTAY3700~の文字

 

猫の恩返しみたいな世界はそこにはなく

ある意味夢のお城に連れていかれたのだ。

 

幻想世界がそこにある。

 

Stay homeからStay hotel

猫が招くラブホテル

ご来店お待ちしております。

陽だまりの日陰者

地震で目が覚めた日曜日

 

せっかくの休日なので朝からお湯をためて

湯舟に浸かることにした。

 

外は目をそむけたくなる程の大晴れ。

昨夜の酒が抜けきらないの私には大ダメージ。

 

日差しから逃げつつお風呂に入る。

照りつける太陽をものともしない浴室だ。

 

今電気を消したら何も見えなくなる程暗くなる。

明るい外、暗い浴室。

肌冷えする空気、温もり深い湯舟。

 

日本の文化の源流には温泉がある。

温泉っていったら冬の東北感

 

雪が降り積もる中の温泉

雪景色の中の一たまりの温泉。

 

ちっちゃいころにうろ覚えだけど秋田青森あたりに旅行にいった。

名前もうろ覚えの古びた旅館。

 

大浴場的な温泉が旅館内にある旅館。

20時過ぎたくらいになるとロビーの照明が消えて真っ暗になる。

 

温泉に入るためにはその暗闇を通り抜けていく必要がある。

古びた旅館の真っ暗闇スペース

 

怖いったりゃありゃしない。

温泉で体はあっためてもらったけど、肝は冷やされた。

 

はっと目を覚まし湯舟から出る。

真っ暗なところで温かいものに包まれたら眠くもなる。

 

着替えを済ませ手ぶらで玄関を開けた。

二日酔いの体のだるさを引きずって散歩に出る。

 

なんとなく日陰を歩く。

陽だまりの中に堂々と出ていけるのはいつになるだろか。

 

まんじゅう怖いといいつつも、結局怖いのは人間なのさ。

小学校低学年くらいのときの話

 

公園で遊んでたら小さめの犬を連れた人が散歩に来た。

小型犬可愛い。

 

なんでだか私も突然の来訪者に心を奪われた。

小型犬可愛い。

 

なんでもまだ幼い犬のらしい。

小型犬可愛い。

 

幼い犬も見知らぬ来訪者にテンションが上がっているようだった。

小型犬可愛い。

 

私も撫でてみたいなと思ってそっと近づいて行った。

小型犬可愛い。

 

目線を合わせるためにしゃがんで、ゆっくりと頭に手を伸ばしていった。

小型犬可愛い。

 

幼い犬は興奮した面持ちで、私の膝をしっかりと噛んだ。

小型犬怖い。

 

驚いた私はすぐさま距離を取った。

小型犬怖い。

 

幼い犬は興奮した面持ちで、追いかけてくる。

小型犬怖い。

 

飼い主に止められて幼い犬はようやく落ち着きを取り戻した。

小型犬怖い。

 

そのまま私は、幼い犬をなでることなく別れを告げたのだ。

小型犬怖・・・かわいい。

 

しっかり噛まれた

目に見えることだけが真実ではないことは重々承知しているものの、実際目にすると皆目見当もつかない。

ありがた迷惑って言葉があるように

100%の善意でも迷惑になってしまうことがある。

 

高校生の時、部活に行った帰りの出来事。

 

他校との練習試合の帰り、駅のベンチに座って談笑していた。

試合が終わった後なので多少疲れていた。

 

おにぎりで小腹を満たしながら

他愛もない会話を友達としていた。

 

駅ってやっぱりいろんな人が行きかう所で

談笑の間でもたくさんの人が改札から出入りしていた。

 

その人混みから外れて、ふたりの老人が近寄ってきた。

他にも空いているベンチはあるのになんでこっちに来るんだろう?

 

「こんにちは」

老人はにこやかに話しかけてきた。

たくさんの人達がいるなかで、わざわざ話しかけてくるなんて100%不審者だ。

 

とまどいながら挨拶を返す。

老人にカツアゲされるなんてごめんだぞ。

 

老人はベンチの前でかがみ私たちに目線を合わせてくる。

「君たちスポーツとかやってるの?」

敵意はなさそうだ。50%不審者っぽい。

 

練習試合の帰りであることを告げると、続いて老人たちは言った。

「それはご苦労様だね。私たちはもう走ったりするのもきついからうらやましいよ」

ただの世間話をしに来た近所の老人たちだったか。0%不審者だ。

 

警戒心を解いた私たちは二人の老人に尋ねた。

「お二人はお散歩でこの辺り歩いていたんですか?」

 

「私たちは集会の帰りでね。帰り道を歩いていたら君たちを見かけて声をかけたんだよ」

集会・・・?

「そういえば君たちは部活帰りなんだよね?良かったら疲れを取ってあげるよ。」

疲れをとる・・・?

100%不審者に跳ね上がった。

 

老人の一人が袖をまくり上げ、私の膝に手を添える。

怪しすぎて笑いそうになる口角を抑え様子を見守る。

まさか手からビームが出て膝が吹き飛ぶことはあるまい。

 

「ほらだんだん膝があったかくなって来たでしょう?」

「この方はすごいパワーを持っているのよ」

二人とも真剣に私の膝に力を与えているようだ。

 

感性が欠如した私たちではその感動は味わえず

ただただ見守るしか術はなかった。

 

「よし。どうだい足が軽くなっただろう」

満足げな老人を前にして、私は首を縦に振るしかなかった。

 

二人の老人はそのまま役目を終えると、その場から立ち去って行った。

狐に包まれたような気持ちになった私たちはおにぎりをほお張った。

このおにぎりも老人の手によって美味しさが増しているそうだ。

 

にこやかに近づき、無償でパワーを授けてくれた老人たち。

100%善意、0%迷惑。

有難くも迷惑でもない出来事だった。

 

 

 

家に帰るころには、すっかり足に筋肉痛を迎えていた。

タッチあんどゴー

母がやるゲームの代名詞と言えば

テトリスドクターマリオなのではないでしょうか。

 

かくいう私のお母さんもニンテンドーDSソフト

もっと脳を鍛える大人のDSトレーニングに内蔵している

ドクターマリオミニゲームをずっとやっていた。

それはもうずっとやっていて見たことないような点数取っていた。

 

そんな母がある日新しいDSソフトを購入した。

テトリスDSでも買ってきたのかと思ったら

遥か予想の上を越えてきた。

 

買ってきたソフトは

ときめきメモリアルGirl's Side 1st Love Puls」だった。

 

パズルゲームかと思ったら超王道の恋愛シミュレーションゲームだった。

母曰く「友達に勧められた」そうな。

 

新しいジャンルのゲームではあったが母は気に入ったようで

かなりやりこんでいた。

いつの間にか攻略本も用意されており、全スチル開放を目指す勢いだった。

制作者も泣いて喜ぶ光景だろう。

 

2~3週間くらい経ったとき、母はあらかたの登場キャラとエンディングを迎えていた。

私も少し興味をもったので貸してほしいと頼んだ。

 

あらかた終わらせていたので母も快く貸してくれた。

面白いらしい。

 

ソフトをDSに差し込み電源をつけるとタイトルが出る。

私もやったことないタイトルだから楽しみではあった。

 

話を進めていくと、恋愛シミュレーションらしく様々なイケメンが登場してきた。

さてさてどのキャラを攻略しようか。

 

母にどのキャラが良いか聞いてみた。

すると一人だけどうしても好きなれなかったキャラがいるからその子をやってほしいと言われた。

 

他のキャラはすべてエンディングを迎えているのに

そのキャラだけはどうにもお気に召さなかったらしい。

制作者は内て悲しむだろう。

 

なので私は母のお眼鏡に適わなかったかわいそうなキャラとエンディングを迎えることを目指した。

どうやらそのキャラは、物腰柔らかなメガネのサラサラヘアー君のようだ。

なにが気に入らなかったのかわからないが、目標はこのキャラに決めた。

 

最初は攻略本を読まず自力で進めていった。

とはいえときメモはやったことがなく、爆弾システムがあるっていうのをなんとなく聞いていた程度だ。

一回目から上手くはいかなかった。

 

ゲームを進めていくうえで分かったのはファッションシステムとデートシステムだ。

 

ファッションシステムは「デートの時おしゃれな服をコーディネートしていく」ことで好感度を上げるシステムだ。

おしゃれなんて全く分からなかったが、どうやらジャンル(かわいい、エレガント、綺麗め)をまとめること、前回と同じ服でデートに行かないことが重要なようだ。

ちゃんとファッションを見極めてくる男の子キャラ。目ざとい。

 

そして最も重要なのがデートシステム。

デートで会話をしていくなか、適切なタイミングでボディータッチを行うと好感度が上がるシステムだ。

DSの機能を存分に生かしたシステムとなっている。

 

適切なタイミングっていうとなんか会話のきっかけでうまいことタッチするのかと思ったら、会話が始まったらとにかくタッチするシステムだった。

 

そのため好感度を高くする名目で

街中でもプールでも夏祭りでもクリスマスでも

ただただ執拗にボディータッチをする変態作業ゲームになってしまった。

 

物腰柔らかメガネ君もボディータッチをされてご満悦そうだ。

ぐんぐん好感度が上がっていく。

 

こうして二週目でようやくメガネ君とハッピーエンドを迎えた。

変態作業ゲーにしてしまった自分を戒めつつ、

ボディータッチには細心の注意を払おうと学ばされたゲームであった。

 

あとデートの時はちゃんと着まわそう。