スタジオジブリ「クロネコヤマトの宅急便」
洗濯機が外置きの物件だから
寝起きでベランダに出て日光を浴びる健康的な生活ができる。
東向きの物件だから
朝日が良く当たり心地よい目覚めを享受できる。
洗濯機もたたき起こし、仕事をしてもらう。
自分も気持ちをたたき起こして身支度を整える。
朝食を食べ終えたころ、洗濯機も一仕事終えた。
ほのかな香りを感じつつ、タオルを干していく。
向かいの庭に一匹の黒猫を見つけた。
塀の上を悠々と歩いている。
軽く手を叩いたらこっちを見た。
その眼には何が写っているんだろう。
パンパンと破裂音がした方向を振り返ると
風でひらひら揺れるタオルたちとひとりの人間が見下ろしている。
じっとこちらを見ているな
なんか文句でもあるんかいコラ
なんかひらひら揺れてんな
そんなもんに吸い寄せられると思ったら大間違いだぜ
それより向こうの家が気になるのよ
こんな塀はただの通り道なんだから長居は無用だぜ
行ってしまった黒猫さんよ
ソーシャルディスタンスをきっちり保ったまま離れていった黒猫さんよ
ひさしぶりに生き物を目の当たりにした私は
自分も生き物としての自覚を忘れない様、今日も精いっぱい引きこもることを決意した。